【MTGアリーナ】ブロール徹底解説①イントロダクション
2020年7月7日 MTGアリーナ攻略今シーズンからブロールが常時遊べるようになったことを記念して、ブーウル環境についての紹介を書くことにした。これからブロール遊んでみるかという人の参考になれば幸いである。基礎の基礎的な部分というよりはデッキ紹介がメインになるかな。
------そもそもブロール/Brawl って何?------
MTGAでプレイできるフォーマットの一つ。前回のアプデまではイベントの一つという扱いだったが、現在はいつでも遊べるようになった。スタンやヒストリックのランクマッチやフリープレイの一覧のところにブロール/Brawlが追加されているので遊んでみてくれ。
MTG-Wikiより
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB
通常のコマンダー、いわゆるEDHを知っている人はそれの1VS1スタン版と思ってくれればいい。そうでない人のために説明すると、ブロールがスタンダートと大きく違うルールは主に3つ。
①コマンダールール
ルール改定前の相棒を思い浮かべてもらうと分かりやすい。伝説のクリーチャーかPW1枚をデッキの「コマンダー」に指定して、ゲーム外のコマンダー領域からプレイできる。コマンダーがカウンターや除去などによって領域を移動する場合、オーナーは再度コマンダー領域に移動させることができる(あえて墓地などに置くこともできる)。コマンダー領域にあるコマンダーは何度でもプレイできるが、2回目以降のキャストには2マナを追加で要求される(3回目なら追加4マナ、4回目なら追加6マナを要求する)。
②構築ルール
デッキには指定したコマンダーが持つ色のカードと土地カードと無色のカードしか入れることができない。この「色」というのは起動能力に要する色なども含む。例えば《時を解す者、テフェリー》をコマンダーに指定した場合デッキに入れられるのは白と青と無色のカードのみ、《帰還した王、ケンリス》を指定した場合5色全てのカードをデッキに入れることができる。
また、基本地形以外のすべてのカードが1枚制限のハイランダー構築である。
アリーナのデッキ構築画面からデッキのフォーマット変更で「ブロール」に設定すれば勝手に専用の構築UIになるのでルールは分りやすいだろう。
③その他
ゲームはBO1、初期ライフが25点、プレイヤーは一度だけフリーマリガン※ができる。(※7枚の初手を7枚でマリガンできる、2回目以降のマリガンはスタンと同様にカードをボトムに戻す)
文章で説明すると長くなってしまったが、基本は「シングルトン+めっちゃ強い相棒がお互い使える」というルールだと思ってくれればいい。
------ブロールの何が面白いの?------
これは人それぞれだろうけど、個人的にはゲームの再現性と運ゲーのバランス感が楽しいと思うかな。コマンダーの戦略どうしのぶつかり合いがゲームの基本にはなるけど、ハイランダーだから普段スタンで活躍できないカードも日の目を見れるのがいい。
単にスタンの息抜きとして遊ぶのもよいだろう。勝てばデイリー報酬のカウントは進むしデイリークエストの達成にも向いてる。「いつもスタンでバント回しているのに赤か黒の呪文プレイのクエストが溜まってしまった~」って時あるよね。
あとはアリーナ始めたばっかでガチスタンやるにはカードが足りねぇよ!無課金でやりてぇんだ!って人にもいいかも。まあガチでやると普段スタンであまり使わないようなレアが欲しくなる時もあるので一概にやり得ではないかもしれないが、無課金でいきなりガチスタンやるよりは勝率出るはず。
------コマンダーはどう選べばいい?------
好きなカードでおK。前提として、ブロールは超カジュアルフォーマットだ。好きなカードを詰め込んで遊べ!
…これだと本当にここで記事が終わってしまうので多少なりとも強いデッキを目指す場合の話をしたいと思う。ブロールに勝ち負けなんて求めてないんだが?という方にとってはひょっとしたら不快な内容も出てきてしまうかもしれないがご容赦いただきたい。
------強力なコマンダーの条件------
具体的にコマンダーに指定されやすいカードは後で紹介するが、前提として傾向を述べる。
①アドバンテージを稼ぐ
ルール改定まで暴れまわっていた某最強相棒の事を思い出せばわかりやすいだろう。決まったターンにキャストできるアドバンテージ源はMTGの原則からすれば本来は反則級なのである。PWは言うに及ばず、生物コマンダーの場合Cip能力が分かりやすい。
②PWである
スタンダートがそうであるように基本的に生物より除去しづらいため。必然的に、完全に同レベルのカードなら生物よりPWをコマンダーにしたほうが強い。
③軽い
特にアグロデッキを組む際に際立つ。+2マナがかかるコマンダーのリキャストにおいてはコストの軽さが重要。例えば、3マナコマンダーをカウンターか即除去された場合に5ターン目にリキャストする難易度はそう高くないがもっと重いコマンダーで同じことをしようとした場合の成功率はかなり下がる。
------ブロール特有のカード群について------
エルドレイン以降、デザイン段階からブロール用に作られた実質専用カードもある。その他、スタンダートとブロールにおいては評価がまるで違うカードもあるので紹介する。
・《物語の終わり》
コマンダールールの性質上ほぼ全ての青いデッキに入れる価値がある。
よって《進化する未開地》《寓話の小道》の起動タイミングには注意が必要。スタンなら相手エンドに起動するケースでも、ブロールにおいては特別な意味がないなら相手が2マナ構えていないタイミングでさっさと起動したほうがよいこともある。
・《統率者の塔》
当たり前だが単色以外の全てのデッキに必ず入る。
・《秘儀の印鑑》
一部の高速アグロ以外のすべてのデッキに入る。
・《夏の帳》
禁止されていない。(ブロールの禁止カードリストはスタンとは独立している。)
僕の考えでは緑の全てのデッキに入れるべき。現状フォーマットにおける色のヒエラルキーは青>>>緑≧黒≧白=赤であるため腐るリスクは低い。
・《神秘の論争》
上に同じく。青いデッキ全てに入る。スタンでみんな見飽きているカードだが…
・《火消し》《旋風のごとき否定》などマナ支払い要求系のカウンター
スタンダートではもう滅多に使われないカードだがブロールでは事情が異なる。コマンダーの再キャスト時には多くの場合マナに余裕がなくなるためゲーム終盤になっても完全に腐ることはかなり少ない。カウンターを多用するデッキならデメリットは気にせず気軽に採用してよい。
・《むかしむかし》
禁止されていない。そもそもマナクリを多用するデッキ以外だと別に強くはない。
・《暗殺者の戦利品》
これだけは逆に採用したくないカード。コマンダールール下で相手に土地1枚を与えるというのは相手コマンダーの再キャストペナルティが-1マナされるのと同義であり、多くの場合《暗殺者の戦利品》は相手コマンダーに対する除去として機能しないし、他のパーマネントを除去した場合でも伸ばしたマナは必ずコマンダーの再キャストで有効利用される。
実は某所のデータでは黒緑が含まれるデッキにはかなりの確率で採用されているのだが、個人的にはアンプレイアブルに近いとまで考えている。
・《伝説たちの秘本》
コマンダー専用カード。個人的には悠長過ぎてあまり強くはないと思っている。
・《しつこい請願者》
何枚でもデッキに入れられる。が、はっきり言って弱い。請願者デッキに負ける場合、十中八九負ける側のデッキ構築に問題がある。
------代表的なコマンダーとデッキの紹介------
https://aetherhub.com/Meta/Metagame/Brawl/
デッキの登録数からしてデータの信頼性は微妙ではあるが、僕個人の体感メタゲームとはだいたい数字が一致するのでこの分布を元に解説する。そのデッキによく使われているカードもまとめられており、おおよそのデッキリストも確認にも利用できる。
・《ニヴ=ミゼット再誕》
圧倒的トップメタ。コンセプトは単純明快で強力。マナ加速と除去で序盤を凌いでミゼットを出す→大量ドロー→勝つ。
このデッキが最強候補たる理由はコマンダーのルールを最大限悪用している点。着地するだけで膨大なカードアドバンテージを生むカードを4ないし5ターン目にほぼ確定でキャスト出来る上、マナさえ伸びていれば除去されるたびに使いまわせるのだから息切れとは無縁。
見た目に反して色事故もそう起こらない。要因としては《統率者の塔》と《秘儀の印鑑》の存在に加え、コマンダー特有の土地事情もある。例えば白青の2色デッキはコマンダーのルールでは《ラウグリンのトライオーム》を採用できないが、5色デッキは全ての土地を使用できるため、序盤用のカードを青緑2色に寄せておいて《ゼイゴスのトライオーム》《ケトリアのトライオーム》や占術土地をフル搭載して色供給を安定させるテクニックがある。
デッキの弱点を強いて挙げるなら序盤の展開が比較的弱いことと、カウンターに弱いこと。ただそれも適正なマナベースとマナカーブでデッキを構築できていれば最低限に抑えられるのでデッキとしては死角はかなり少ない。
・《眷者の神童、キナン》
第二のトップメタ。ブン回りの再現性と理不尽さNo1。2ターン目に適当なマナ加速パーマネント→3Tキナンで更に3マナ生める状況になるので追加でマナ加速を唱えるもよしカウンターを構えるもよし。
安定して4~5ターン目には起動能力もプレイ可能な上に、除去されても本体のコストが軽い&マナ加速山盛りのデッキ構造上容易にリキャストから能力起動で際限なく生物を生む。
またこのデッキをトップ足らしめている要因として《サルーリの世話人》というカードがある。最近スタンで活躍する1マナカードを思い浮かべると分かると思うが、強力な1マナカードはかなり限られていて、その上シングルトンのブロールではほとんどのデッキで初動は2ターン目になる。そんな環境でT1サル―リ→T2キナン+2マナマナクリと動いたら?例えるなら、スタンで自分だけ初代モックスを1枚デッキに入れていいと言えばその強さが伝わるだろうか。
デッキの弱点は除去連打に弱いこと。キナン自体のリキャストはかなり容易なほうだが、それも少なからずマナクリが場に定着している前提である。かたっぱしから除去除去除去!と動かれると重い生物とカウンターばかりが手札に溜まり機能不全に陥る。
・コントロール系プレインズウォーカーたち
《古き道のナーセット》
《龍神、ニコル・ボーラス》
《悪夢の詩神、アショク》
《時を解す者、テフェリー》
メジャーなのはこの4種。色こそ違えどデッキの方向性はほぼ同じ。4種のシェア全てを合わせた数字約20%はある意味では第三のトップメタとも捉えられるか。
デッキの特徴と利点はチューニングの自由度。いわゆる典型的な「グッドスタッフコントロール」になるので好きに組める。除去を多めにすればキナンに強くなるしカウンターを多くしてミゼットに対応することもできる。
ただ逆にデッキの弱点もその自由度に起因する。リアクションカードが多いゆえにBO1ゲームでは全てのデッキに万能に対処するのが難しく、ミゼット(+コントロール系)とキナン(+その他アグロ系デッキ)の両方に安定して勝つことが難しい。
・《ビヒモスを招く者、キオーラ》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
紹介したページだと使用率圏外となっているが実際は割とよくマッチングするのでここに紹介する。デッキとしてはシミックのグッドスタッフでしかないので特筆する点は少ない。マナ加速、優秀な生物&PW、カウンター。
個人的には《眷者の神童、キナン》に勝る点が少ないと思っている。非パーマネントのマナ加速を自由に使える点でキナンより構築自由度が高く、除去に強い構成にしやすいのは一応の利点か。でもそれならミゼット使えばいいような?
・《朱地洞の族長、トーブラン》
赤単。それ以上でもそれ以下でもない。
強みは舐めたスロー初動の相手を轢き殺せること。弱みは単色ゆえにカードが弱い事。これに尽きる。トーブランが着地して殴れれば雑魚の群れでもどうとでもなるが、相手もマグロじゃないからね。
ついでに単色デッキが初めて出てきたのでコマンダーにおける単色デッキのマナベースの優位性について述べる。結論から言うと、単色である利点はそう大きくない。理由は二つ。一つは《統率者の塔》《秘儀の印鑑》の存在、もう一つはゲーム開始時のフリーマリガン+初手補正の仕様である。ぶっちゃけ2色デッキでもあまり色事故は起こらないんだよね。ダブルシンボルのカードをフル搭載したいとなると多少窮屈にはなるが、シングルシンボルのカードばかりのデッキなら極論基本地形12:12のリミテッドレベルの構築ですら全然事故らない。それなら2色以上からパワーカードをピックしたほうが単色でデッキを組むよりメリットが大きくなるのは必然というもの。
・その他コントロール系コマンダー
《パルン、ニヴ=ミゼット》
《イゼット副長、ラル》
《常智のリエール》
《空召喚士、ターランド》など
主に純正イゼットコントロール。リエールはアグロorクロパー気味の構築にも当たる。弱点は単純に赤いカードが弱いこと。コントロール系のカードは汎用性の観点から基本的には黒or白>赤なのでイゼットはマイノリティである。
・その他ミッドレンジ系コマンダー
《フェイに呪われた王、コルヴォルド》
《空を放浪するもの、ヨーリオン》
《願いの頂点、イルーナ》
《死の頂点、ネスロイ》
《深海住まいのタッサ》
《ギドラグの怪物》など
コマンダーの能力からおよそ入っているカードの想像がつくだろう。能力がデッキコンセプトそのものになる。ミッドレンジ系コマンダーの弱点は分かりやすい。ミゼットに勝てねぇんだ…。
・その他アグロ系コマンダー
《太陽冠のヘリオッド》
《災いの歌姫、ジュディス》
《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》など
単純明快なアグロデッキ。強みはトーブランで書いた通り。
弱点は対生物系コマンダーの後手番がめちゃくちゃ厳しいのと、コントロール系に単除去全除去で完封される負けパターンがあること。対ミゼットも後手だと先手4Tミゼット→5Tラスゴ系で簡単に制圧される事もあるので環境全体としてアグロ系コマンダーは少数派。
・請願者ライブラリーアウト
《夢を引き裂く者、アショク》
《神秘を操る者、ジェイス》
面白くない上に弱いからやめとけ。ジェイスは請願者じゃなくて青単コントロールとして組むなら面白いと思う。
ここまで有名どころのコマンダーをざっと紹介したが、他にもまだまだ面白いデッキになるコマンダーはたくさんいる。始めにも書いたが好きなカードを使おう。
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とりあえずはここでいったん現行ブロール環境の解説は終了とする。
割と長文になってしまったが、もし全部読んでくれたのなら嬉しい。
もし次回があれば具体的なデッキリストを交えながらデッキを組む際に気を付けたいことを解説したいと思う。現在、解説用に今まであまり使ってこなかったコマンダーでデッキ組んでは四苦八苦している。
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