------イントロダクション------
ドミナリア以前にも緑単アグロは存在こそしていたものの正直なところさほど強くはなかった。その最たる理由は強力な低マナ域のカードが足りなかったためだ。赤いデッキが《ボーマットの急使》《地揺すりのケンラ》、黒いデッキが《致命的な一押し》《光袖会の収集者》と展開可能なのに緑単はせいぜい《マーフォークの枝渡り》《キランの真意号》を出す程度。最大の売りである《立て直しのケンラ》による《原初の飢え、ガルタ》速攻召喚は確かに決まれば強力だが少々安定性に欠けた。
しかしドミナリアスポイラーの流出で状況は一変、なんと《ラノワールのエルフ》の採録が明らかになったのだ。また《鉄葉のチャンピオン》という強烈な3マナクリーチャーも発表。誰の目から見てもこれらを最も強く使えるデッキである緑単への期待は高まったのであった。
------初期リスト~デッキリストの変遷------
そして恒例の発売前の新スタンダートデッキテスト。
最初期のデッキはこんな感じだった。
・プロトタイプ緑単
20《森/Forest》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker(XLN)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
2《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger(RIX)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
1《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
4《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
ほどなくして問題が発覚
①初手のキープ基準になるカードが少ない
②キランの搭乗要員=パワー3のクリーチャーが不足
それを改善したのがこちら
・緑単ver2
13《森/Forest》
3《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
3《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
4《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
Side
4《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
3《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
1《自然の流儀/Nature’s Way(KLD)》
1《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
中途半半端に探検生物を入れるよりも力こそパワーを地でいく脳筋構築の
ほうが安定して強いという結論に至りこのようになった。
このデッキはテストでは他のテストデッキを概ね粉砕。特に青黒系のデッキには無類の強さを誇り青黒とグリクシスは使用候補として一瞬で消滅したほどであった。また障壁となると予想されていた白青コントロールにも《キランの真意号》が強すぎるせいで意外と戦える上に《ウルザの後継、カーン》という今まで存在しなかった4マナのPWを得たため総合的には五分にできると判断された。こうして緑単を第一候補として我々は調整を進めたのだった
そしてMOでドミナリアが解禁。このデッキをMO上でテストした友人達はそこそこの成果を上げるが、ほどなくして白青コンが大流行を見せ始める。流石にこのままのリストでは白青の海に飛び込むのは愚策であったため、リストは次のステップに移ることとなった。
・緑単ver3
4 Ghalta, Primal Hunger
4 Greenbelt Rampager
4 Llanowar Elves
3 Rhonas the Indomitable
4 Scrapheap Scrounger
4 Steel Leaf Champion
1 Rhonas’s Last Stand
3 Blossoming Defense
1 Aethersphere Harvester
4 Heart of Kiran
4 Karn, Scion of Urza
4 Blooming Marsh
14 Forest
2 Hashep Oasis
4 Woodland Cemetery
Sideboard
2 Aethersphere Harvester
1 Crushing Canopy
1 Deathgorge Scavenger
2 Hour of Glory
2 Nature’s Way
4 Thrashing Brontodon
1 Vraska, Relic Seeker
2 Walking Ballista
(ナヤ岡さんがMOPTQで9位に入賞した時のリスト。
僕はこれから2~3枚違うだけだったので略)
特徴的なのはメインに4枚ぶちこまれたカーン。元々メインに9枚アーティファクトが入った構成だったためカーンのマイナス連打が普通に強かった。これにより白青コンにもメインからそこそこ勝てるようになりデッキシェアしていた友人達は「環境一発目のMOPTQギリギリ9位orz」と「そこそこ大規模の関東PPTQで3没orz」を無事果たしたのだった。
そして時は流れ(この間、かなり色々あったんだが長すぎるので略)
------最新リスト------
・緑単t黒 最新版
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
12《森/Forest》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
4《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
3《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
1《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
Side
2《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
3《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
2《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
1《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《帰化/Naturalize(M15)》
・マナクリ型緑単t黒
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
11《森/Forest》
1《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
3《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
4《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》
2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
1《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
Side
3《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
3《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
1《喪心/Cast Down(DOM)》
1《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
1《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
2《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
現在緑単の最新版は二つに派生している。一つは旧来のコンセプトであるガルタを採用したバージョン、もう一つは《導路の召使い》を活用しようというバージョンである。
最新リストのデッキコンセプトや各カードの採用理由についてを次回に、サイドボーディングと簡易プレイガイドを次々回に予定している。
続く!
ドミナリア以前にも緑単アグロは存在こそしていたものの正直なところさほど強くはなかった。その最たる理由は強力な低マナ域のカードが足りなかったためだ。赤いデッキが《ボーマットの急使》《地揺すりのケンラ》、黒いデッキが《致命的な一押し》《光袖会の収集者》と展開可能なのに緑単はせいぜい《マーフォークの枝渡り》《キランの真意号》を出す程度。最大の売りである《立て直しのケンラ》による《原初の飢え、ガルタ》速攻召喚は確かに決まれば強力だが少々安定性に欠けた。
しかしドミナリアスポイラーの流出で状況は一変、なんと《ラノワールのエルフ》の採録が明らかになったのだ。また《鉄葉のチャンピオン》という強烈な3マナクリーチャーも発表。誰の目から見てもこれらを最も強く使えるデッキである緑単への期待は高まったのであった。
------初期リスト~デッキリストの変遷------
そして恒例の発売前の新スタンダートデッキテスト。
最初期のデッキはこんな感じだった。
・プロトタイプ緑単
20《森/Forest》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker(XLN)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
2《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger(RIX)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
1《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
4《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
ほどなくして問題が発覚
①初手のキープ基準になるカードが少ない
②キランの搭乗要員=パワー3のクリーチャーが不足
それを改善したのがこちら
・緑単ver2
13《森/Forest》
3《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
3《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
4《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
Side
4《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
3《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
1《自然の流儀/Nature’s Way(KLD)》
1《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
中途半半端に探検生物を入れるよりも力こそパワーを地でいく脳筋構築の
ほうが安定して強いという結論に至りこのようになった。
このデッキはテストでは他のテストデッキを概ね粉砕。特に青黒系のデッキには無類の強さを誇り青黒とグリクシスは使用候補として一瞬で消滅したほどであった。また障壁となると予想されていた白青コントロールにも《キランの真意号》が強すぎるせいで意外と戦える上に《ウルザの後継、カーン》という今まで存在しなかった4マナのPWを得たため総合的には五分にできると判断された。こうして緑単を第一候補として我々は調整を進めたのだった
そしてMOでドミナリアが解禁。このデッキをMO上でテストした友人達はそこそこの成果を上げるが、ほどなくして白青コンが大流行を見せ始める。流石にこのままのリストでは白青の海に飛び込むのは愚策であったため、リストは次のステップに移ることとなった。
・緑単ver3
4 Ghalta, Primal Hunger
4 Greenbelt Rampager
4 Llanowar Elves
3 Rhonas the Indomitable
4 Scrapheap Scrounger
4 Steel Leaf Champion
1 Rhonas’s Last Stand
3 Blossoming Defense
1 Aethersphere Harvester
4 Heart of Kiran
4 Karn, Scion of Urza
4 Blooming Marsh
14 Forest
2 Hashep Oasis
4 Woodland Cemetery
Sideboard
2 Aethersphere Harvester
1 Crushing Canopy
1 Deathgorge Scavenger
2 Hour of Glory
2 Nature’s Way
4 Thrashing Brontodon
1 Vraska, Relic Seeker
2 Walking Ballista
(ナヤ岡さんがMOPTQで9位に入賞した時のリスト。
僕はこれから2~3枚違うだけだったので略)
特徴的なのはメインに4枚ぶちこまれたカーン。元々メインに9枚アーティファクトが入った構成だったためカーンのマイナス連打が普通に強かった。これにより白青コンにもメインからそこそこ勝てるようになりデッキシェアしていた友人達は「環境一発目のMOPTQギリギリ9位orz」と「そこそこ大規模の関東PPTQで3没orz」を無事果たしたのだった。
そして時は流れ(この間、かなり色々あったんだが長すぎるので略)
------最新リスト------
・緑単t黒 最新版
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
12《森/Forest》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
4《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
3《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
1《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
Side
2《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
3《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
2《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
1《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
1《帰化/Naturalize(M15)》
・マナクリ型緑単t黒
4《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
4《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis(HOU)》
11《森/Forest》
1《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(DOM)》
4《緑地帯の暴れ者/Greenbelt Rampager(AER)》
4《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》
4《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable(AKH)》
3《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon(RIX)》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion(DOM)》
4《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》
2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》
4《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》
1《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
Side
3《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》
3《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》
2《栄光の刻/Hour of Glory(HOU)》
1《喪心/Cast Down(DOM)》
1《押し潰す梢/Crushing Canopy(XLN)》
1《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester(AER)》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》
2《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger(RIX)》
現在緑単の最新版は二つに派生している。一つは旧来のコンセプトであるガルタを採用したバージョン、もう一つは《導路の召使い》を活用しようというバージョンである。
最新リストのデッキコンセプトや各カードの採用理由についてを次回に、サイドボーディングと簡易プレイガイドを次々回に予定している。
続く!
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